成熟時代をたくましく生き抜くキャリアデザインを支援する
厚生労働省指定キャリア・コンサルタントのクロイワ正一です。
一橋学院でも小論文を指導しています。
2016年4月入学の生徒募集から
「AO入試・推薦入試を導入していない数少ない大学」の
象徴的存在であった東京大学が、
後期試験の後継として推薦入試の正式導入を決定しました。
私が大学入試の多様化を察知し、
『推薦・AO入試!超(ULTRA)マニュアル』(KKロングセラーズ、1999)
という本を著したのは、遡ること16年前です。
その後もAO入試や推薦入試に関する多くの参考書、
映像教材などの制作に携わってきたせいか、
高校や予備校・塾、または大学合同説明会の主催者から、
AO・推薦入試の対策講座やその指導法に関する
教員研修の依頼を受けることが年100回ほどあります。
しかし、
近年そうした機会で不可思議な質問を受けることも多くなりました。
「私立大学では入学者の半分以上がAO入試、推薦入試など、
特別入試経由になった」といった報道が新聞紙面を飾り始めた
2008年辺りからでしょうか、
高校生、先生、保護者の方々から
「AO入試や推薦入試で大学に入ると就職に不利なのですか」とか
「AO・推薦で大学に入ると内定が取れないって本当ですか」などと
問われる回数が増えてきたのです。
なぜそのような質問をするのか、理由を問うと、
多くの方からこうした答えが返ってきます。
「AO入試や推薦入試を経由した進学者は、
一般入試対策のような勉強をしていないから、
学力レベルが低い。それゆえ、企業に倦厭される」と。
この、あまりにも乱暴かつ稚拙なロジックに対して、
大学入試だけでなく大学生の就職活動支援や
企業の採用面接官トレーニングにも携わっている私は、
当初は失笑しながら、こう対応していました。
「まともな企業の採用活動では、
そのような履歴を問う余裕はありませんし、
逆にそんな馬鹿馬鹿しい採用基準を持つ会社に入らない方がいいでしょう」と。
そう即答できた背景には、20数年間、さまざまな企業の
人材採用・育成の支援に従事してきた経験から得た採用基準がありました。
「企業が採用すべき学生を評価する基準は、そのようなモノサシではない。
まして21世紀社会では、なおさらそうである」という確信があったのです。
次回は、「AO・推薦入試経由の学者生が就職活動で不利」という発言の危うさを、
論理的かつ実証的に示します。ご期待ください。
一橋学院では、難関大を目指すために必要な勉強だけでなく、
進路のアドバイスを生徒一人一人にチューターがついてアドバイスしています。
校内生は、そうした機会をもっと利用して欲しいですし、
まだ学院生でないというあなたにも、周囲のリソースを十分活用して、
ご自身に合ったキャリアを歩んでいただきたいです。
まずは、ぜひ、一度、一橋学院にお立ち寄りください。
お待ちしています!